インスタント・コードワーク入門(ヲノサトル)

キーボードマガジン2000年11月号の特集として掲載。

「当方雰囲気重視です」のキャッチフレーズがつけられていて、さらに「コードを押さえていくだけで、”それっぽい”雰囲気を楽しめます。」とのことです。

ある程度じっくり読んでみると、いくつか今興味を持っている疑問に答えてくれるものがありました。

R&B風味をかもし出す8小節

  • 1小節ごとにBm7/E、A7(♭5.♭9)、C#m7/F#、B7(♭5.♭9)の4小節を2回繰り返し。
  • 左手はE、A、F#、Bの4小節を2回。
  • つまり、Em-A7、F#m-B7が基になっている。これはII-V、II-Vのモーションを平行させていることになる。
  • それに右手のトップノートがD、D#、E、F、F#、G、G#、Gと、半音ずつ上昇して最後に半音下がるようにテンションを選んだ結果として、分数コードを用いている。
- 1 2 3 4 5 6 7 8
トップノート D D# E F F# G G# G
左手 E A F# B E A F# B
コード Bm7/E A7(♭5.♭9) C#m7/F# B7(♭5.♭9) Bm7/E A7(♭5.♭9) C#m7/F# B7(♭5.♭9)
テンション抜き Em A7 F#m B7 Em A7 F#m B7

ジャズ風味をかもし出す8小節

  • B♭メジャー調で、II-V-IのモーションにあたるCm-F7-B♭に、ブルーノートを加えてCm7(9)-F7-B♭△7(9)。
  • それに続けてIに続くIVとしてE♭7。IからIVがII-Vと同じモーション。
  • 続く4小節はVII-III-VI-VIにあたるAm7(♭5)、D7(♭9)、Gm7(9)、G7。
  • 4小節目のIVからVIIがII-Vと同じモーション、続くVIIからIIIも、IIIからVIもII-Vと同じモーション。