企業の顧客プロファイルをベースとするマーケティング最適化のためのディスカッション

すべての市場セグメントに対して、同一のプロファイルを採用するという課題

多様な市場セグメントに向けてそれぞれ専門の部署を設けている企業で、セグメントの性質に依存して必要なデータ区分が異なるため、各セグメント向けにバラバラの値を設定している状況がありました。そのやり方を数年間続けた結果、プロファイルデータを基にマーケティングをおこなう際の投資対効果のスコアづけもセグメント単位でしか評価できなくなっていました。
そこで、セグメント間を横断しての分析を可能にするために、すべてのセグメントに向けて適用可能な値を設定したいという希望が持ち上がります。たとえば、社名、業種、役割、部署、意思決定における立場、コンピューターの台数、従業員数など。

このような統一を行うためには、全セグメント担当部門の合意が必要になります。このときに検証が不足していると、のちのち、特定のセグメントにおいてデータの有用性が損なわれてしまう(データをもとにしてビジネス上の判断ができない)などの深刻な問題が起きます。

統一されたプロファイリングを導入する場合、仮に全社を通してすべてのケースに導入することを原則とするにしても、統一プロファイルを適用する意味がないケースなどを判断する基準、および判断する基準を示す責任者が必要になることが多くあります。責任者は、統一プロファイルの意義と全セグメントのマーケティング上の性質を考慮して判断を行います。

プロファイリングと個人情報

プロファイリングに必要なのは、利用する企業での投資判断に影響する属性であり、それは多くの場合、顧客の意思決定を理解するためのデータです。
住所などの個人情報は、連絡を行ったり物品を送付するための宛先として、「顧客側が希望する」宛先が必要な場合にのみ住所を収集するのが理想と考えます。