ソニーのウォークマンNW-A808で聴いたらよかった 打楽器音とクラリネット

早朝にヘッドフォンで聴いたUAKTI

Aguas De Amazonia

Aguas De Amazonia

UAKTIはどうやら自作楽器で演奏するグループだとか。面白い響きの打楽器が多用されています。
作曲はフィリップ グラス。私が知っているフィリップ グラスの作品はどれも、妙にせわしない感じがあります。このレコードも忙しく明滅する音がちりばめられていますが、狭い部屋に閉じ込められたような閉塞感はありません。テーマが「アマゾンの水」というだけあって、同じ水は二度と流れてこない印象です。

タイトルの「AGUA」は閼伽と同源

スペイン語のアグア(水)は、仏壇の閼伽棚(あかだな)のアカと同源の言葉であり、現代のヨーロッパの各言語が成立する前から水を指して使われている言葉だと明治学院フランス文学科の須藤名誉教授(当時は教授)から教わったことがあります。

モノラル録音のウラッハ演奏のクラリネット

モーツァルト:クラリネット五重奏曲

モーツァルト:クラリネット五重奏曲

ウラッハ演奏のこのレコードと、同じシリーズのクラリネット協奏曲(モーツァルト作曲)はタイムドメインのYoshii9で聴かせてもらったときに驚いたのを覚えています。モノラルのなかに、音の遠近感がくっきりと再現されていました。
iPodでは満足できませんでしたが、NW-A808ではかなりいい線を行っているように感じました。

このほかのモーツァルト クラリネット

ポール メイエはフランスの演奏者で、ウラッハのドイツ式のクラリネットとは異なる設計のベーム式のクラリネット(日本でも最も普及している)を使用して軽快なサウンドのモーツァルトを演奏しています。
18世紀オーケストラモーツァルトの時代に使われていたクラリネットと同系列の楽器でモーツァルトの楽曲を録音しています。
ウラッハよりも後の時代のアルフレート プリンツは、ステレオの録音をリリースしていますが、現在売られている版のCDを聴いてみたら20年ほど前にCDからカセットテープに録音したものと比べて音質に難があるように感じました。リマスターで再発されることを望みます。ウラッハと同じドイツ式のクラリネットを使っているはずです。
ジャズで有名なベニーグッドマンもモーツァルトの曲を録音しています。ヨーロッパの演奏とはリズム感がかなり違って、録音も電気的なエフェクト*1を使用しているのがわかります。現代のクラシックのレコードとはかなり違う楽しみ方ができました。

*1:エフェクトだけステレオなのでCD化するときに後から付けたのかも。