弦楽器の弦についての空想

常に働いている力

ギターなどの弦楽器の弦には、弦の両端の方向へ引っ張る力がかけられている。

はじく直前に加えられる力

両端へ引っ張る力は、弦がはじかれたときに「弦を元の状態へもどそうとする力」として働く。
「元の状態」は、弦の両端の最短距離の一直線に停止している状態。
ギターなどの弦をはじいて演奏する楽器では、指やピックで引っ張られる瞬間に、弦は元の位置からずれた状態に移動する。

はじいた後の運動

弦を離すと、「弦を元の状態へもどそうとする力」の作用で弦が反対方向へ移動する。
弦ははじかれると、ブランコのように元の状態を中心として両方向へ行ったりきたりする運動が起きる。
この運動するスピードが一定なので、一定の周期の振動が発生する。

空気の振動が弦に伝わるときの力の積み重ね

弦楽器の弦は、空気の振動を拾って振動する。
空気の振動ははじいたり擦ったりする力と比べると小さな力なので、最初は弦の振動も小さい。
しかし、空気の振動が、弦が一定のスピードで行ったり来たりする周期に一致しているときには、1回ごとに加えられる力が加算されて、徐々に大きくなっていく。
例えば、ブランコに子どもを乗せて、大人が押すときには、ブランコが向かってくるときに押すと大きな力が必要だが、ブランコが向こうに行こうとしている時に押すと、小さな力でブランコに勢いを付けることができる。
このように同じタイミングで繰り返すことによって、小さな力が積み重なって大きな振動が発生する。