IIm7-V7はバロック音楽をとりいれたアレンジ

今までにIIm7-V7(トゥーファイブ)はジャズ的な進行と記されているのを目にしてきましたが、実は17世紀のバロックから、それもだれでも知っている「カノン」からジャズへ採り入れられたということを先日知りました。

「カノン進行」

ウィキペディアの「カノン (パッヘルベル)」によると、カノンの冒頭は次の2小節の繰り返しになっています。(mや7は省略)

小節番号 1 - - - 2 - - -
和声表示 I-V-VI-III IV-I-II(or IV)-V

(1563, 4125)の最後の部分が、トーファイブ(4125の25の部分)になっています。

転回によるベースの順次下降

この曲を参考にして応用する曲はとても多く、さらに、転回して低音部を順次下降にしたものも多くみられるようです。上記のウィキペディアの記事でも「(広義の意味で)「カノン進行」」として触れられています。

小節番号 1 - - - 2 - - - 3 - - - 4 - - - 5 - - - 6 - - - 7 - - - 8 - - -
和声表示 I V VIm IIIm IV I IIm V
ベース I VII VI V IV III II V

(1563, 4125):(1765, 4325)

田中ルミ子 著「ハイテク作曲教室」(キーボードマガジン1997年12月号掲載記事)によるとカーペンターズの「イエスタデイ ワンスモア」がその、「カノン進行でベースが順次下降」に当てはまるとされています。

「イエスタデイ ワンスモア」のAパートの8小節にカノン進行的なトーファイブ

和声表示は田中ルミ子 著「ハイテク作曲教室」(キーボードマガジン1997年12月号掲載記事)のコード名を参照しました。記事によると、カノンが演奏されるときに、バリエーションとしてこの曲のようなコード進行で演奏されることがあるとのことです。

小節番号 1 - - - 2 - - - 3 - - - 4 - - - 5 - - - 6 - - - 7 - - - 8 - - -
和声表示 I IIIm/VII VIm VIm7/V IV△7 IIIm IIm7 V7
ベース I VII VI V IV III II V