日本語の母音のスペクトルとフォルマント

ページ数は「Who is Fourier?」より。
Who Is Fourier?: A Mathematical Adventure
同じ本の日本語版は「フーリエの冒険」
フーリエの冒険

スペクトル

音声のスペクトルは波をFFT Analyzerという機械で分析して作成するグラフです。人間の声も、低い周波数から高い周波数まで、どの成分がどれだけ含まれているか表すことができます。(P144から、母音をあらわす数式を活用してスペクトルを測定するまでの流れが説明されています。)

フォルマント

日本語の5つの母音、アイウエオのそれぞれをスペクトル図で表すと、どのスペクトルにもだいたい2つか3つの盛り上がった部分があって、音によって盛り上がりの位置や盛り上がりの程度に特徴があります。(P151にグラフが掲載されています。)

それらの盛り上がりのうち、低い周波数から順に1個目と2個目の盛り上がりを削ると、その音がどの母音か分からなくなります。一方、3個目の盛り上がりを削ると音は変化するものの、母音は聴き取れる程度の差しかあらわれません。その実験から、1個目と2個目の盛り上がりの部分が日本語の母音のそれぞれを聴き分けるための特徴になっていると考えることができます。
この「1個目と2個目の盛り上がり」をフォルマントと呼びます。